連載コラム

薬学部ホームページを制作するにあたって、薬学に関係する皆さまに向けた連載コラムをお届けすることにいたしました。今後、本学教員が定期的に連載をしてまいります。

私のタンパク質研究

「新規有用タンパク質の構造と機能解析」を大テーマとしてこれまで数多くのタンパク質を研究してきました。私にとってタンパク質の有用性とは、(薬学部出身の研究者ですから!)それ自体がクスリになる(バイオ医薬品)またはクスリのターゲットになるタンパク質(標的タンパク質)になるということです。有用性が期待されるタンパク質の、構造と機能さらにはその作用機構を様々な方法を駆使して解析し、クスリの開発につなげたい!!そのタンパク質については誰にも真似ができない、誰も無視することができない先導的な仕事をしたいということで研究を続けてきました。

現在はアミノペプチダーゼというタンパク質分解酵素を研究しています。知り合いだった医学部産婦人科の教授からネタをいただきました。妊婦の血清に見出される酵素です。これが不足すると、早産や流産になりやすいとのことでした。(女性でしかその活性が見つかっていないということにロマンを感じたのですが、残念ながら男性にも発現していることが後でわかりました。)私は妊婦血清からこの酵素(P-LAP)を精製し、その遺伝子を取り出しました。次にこの酵素によく似た構造を持つERAP1と2の遺伝子を取り出すこともできました。これらは細胞内の小胞体に局在するユニークな酵素です。その機能を解析した結果、免疫機能の増進、マクロファージの活性化など、生体防御において重要な役割を果たしていることを明らかにすることができました。特に何らかの細菌に感染したとき、ERAP1が小胞体から細胞外に分泌されて、マクロファージを活性化し、その菌を排除しうるということは、さらに検討すべき有意義な知見だと思います。

今後これらの酵素の新たな機能をさらに追及するとともに、その反応機構を明らかにしたいと考えています。そして最終的にはこれらの酵素の活性を制御する低分子化合物を調製してクスリの開発に結びつけていきたいと思います。

3月8日に苦労した論文がようやく採択されました。研究ってハラハラ・ドキドキ!!イライラ・ワクワク!!なかなかやめられません。

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