連載コラム

薬学部ホームページを制作するにあたって、薬学に関係する皆さまに向けた連載コラムをお届けすることにいたしました。今後、本学教員が定期的に連載をしてまいります。

様々な経験が個性的な薬剤師をつくる

薬学部教授
稲津 教久

本学薬学部は、1学年240名の比較的大所帯である。当然教員の数も多い。私は1年次では後期の薬学基礎実習を担当している。私自身が薬学部1年生の頃、実習を通して薬学の面白さを実感した経験がある。医療従事者の一員としてまずヒトの体の仕組みを知り、さらに病気と治療薬、治療法を学んでいく過程を一人ひとりが築き上げてほしい。そして外国の医療制度、薬剤師の役割にも興味を持ち、実際に体験することが必要であると考えている。

20数年前、私は協同研究者としてスイス・ベルン大学のBendicht Wermuth教授の下へ赴いた。いわゆる留学というものである。Wermuth研究室で私は、ヒト精巣のある酵素の精製と酵素学的性質の検討を行った。日本でヒトの臓器を手に入れることは相当困難であるが、スイスでは比較的容易に手に入った(実際はWermuth先生が様々な書類を提出していたと思われる)。その研究室の大学院生は、ヒト脳の酵素について研究していた。ある時、どこかで見たことがある形の臓器を低温室で見かけた。「それは何ですか?」と院生に尋ねたところ、「ヒトの脳です。」と答えが返ってきた。日本とは考え方が違うことを改めて実感した。

私は留学中、ベルン大学の職員待遇であったので、夏休みも4週間あり、家族とスイス国内、オリンピックの町インスブルック、音楽の都ウイーン、花の都パリなどを列車で旅することができた。またベルン市内の薬局の薬剤師はほとんどが薬学博士であり、専門性が極めて高かった。日本のように大学がいくつもあるわけではないので、大学生になること、さらに大学院生になることは、相当狭き門である。ましてや医療系の学部への進学のための勉強は、大変なものである。

薬剤師を目指している諸君に一言。薬学部受験のために高校では「化学基礎」、「化学」を学ぶことは当たり前であるが、是非「生物基礎」、「生物」を学んで入学していただきたい。薬剤師の医療での位置付けは、化学に基づくヒトの体への薬の作用に対する知識と技術(薬理学、生化学、分析化学、薬物治療学、薬物動態学、有機化学、調剤学など)である。本学では、そのような専門性の高い教育システムをつくって諸君を待っている。

こちらもチェック

  • 入試情報
  • キャンパスライフ
  • 進路・就職

ページのトップへ戻る