六年制の薬学教育では、臨床能力を培い、医療人として相応しい質の高い薬剤師を養成するための教育が行われます。薬剤師法では、薬剤師の任務を「調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生」と規定していますが、その任務に求められていることは、環境の変化とともに発展しています。「調剤」という任務に「処方どおりに薬を正確に取りそろえること」を求めていた時代がかつてあったかもしれませんが、現在の薬剤師による調剤には、「薬剤師の専門性を活かして、診断に基づく薬物療法を患者に対して個別最適化を行い実施すること」が求められています。薬剤師の働く場所は、病院、薬局、製薬企業、行政など多岐にわたりますが、いずれの場であろうとも、薬剤師として任務を果たすためには、薬学教育で培った薬学的知見に基づいて、的確に判断することが求められます。
帝京平成大学薬学部は、薬剤師として求められるこのような資質を、本学部のすべての学生に身に付けていただくために、教員が学生の学修をサポートし、学生一人一人の成長を促しています。学生の皆様にも、目標を持ち、それに向けた能動的な学修を継続してほしいと願っています。
本学部のキャンパスは、中野駅西側の再開発で誕生した「中野四季の都市」にあります。JR中野駅から歩いて、芝生が広がる「四季の森公園」を通り抜けたところにある地上12階建ての校舎で、学生は卒業までのキャンパスライフを送ることになります。利便性が高い都市型キャンパスですが、地域に開かれた大学として、地域活動やイベントの開催に積極的に取り組み、地域の医療職、住民との交流を大切にしています。これらの地域活動等に関わることは、医療職としての心構え、人への視線、社会への広い視野を育むことにつながります。中野地域の医療、保健、福祉と連携した学修環境があることで、本学の学生は、地域医療への理解が自ずと深まり、医療に関わる専門性だけでなく、幅広い視点と行動力を兼ね合わせた人材として羽ばたけるようになります。このような人材の育成は、社会でまさに求められていることであり、将来を見据えた特色のある学修プランが功を奏しているといえます。
研究活動にも積極的に取り組んでいます。大学院薬学研究科では、研究力を備えて薬学や医療へ貢献できる薬剤師を育てるため、薬学の基礎研究、医薬品の実用化研究、医薬品の臨床研究、薬と健康を社会的な視点から研究する社会薬学研究など多彩な研究領域で研究が行われ、実績をあげています。
帝京平成大学薬学部は、社会のニーズ、世の中の動きを常に見据えて、教育研究に取り組んでいます。より多くの方に、本学部に興味を持っていただき、ご理解、ご支援を賜りたいと願っています。
帝京平成大学 薬学部長
亀井美和子