卒業研究
主な卒業研究題目 –医療系-
細胞分裂の制御に関する研究
細胞分裂において遺伝情報が正確に分配されるメカニズムを解明し、がんなどの発症の仕組みの理解に貢献
高橋 美樹子 教授
私達の体は約60兆個の細胞から成り立っていますが、それは1つの受精卵から細胞分裂を繰り返して形成されたものです。個々の細胞内には中心体と呼ばれるタンパク質複合体から成る細胞小器官があり、細胞分裂の際に染色体や細胞成分を2つの娘細胞に正確に分配するための重要な役割を果たしています。中心体の異常は、がん化や脳の形成不全など様々な疾患の原因になることが知られてきています。私達の研究室では、中心体の機能を研究することにより、これらの疾患の発症原因を分子および細胞レベルで解明し、診断や治療に貢献することを目指しています。
創薬を目的としたバーチャル・スクリーニング研究
莫大なデータベースから化合物を選出し創薬の費用削減や開発速度の向上に利用
渡邉 丈夫 准教授
コンピューターを使って、莫大な数の化合物データベースの中から酵素や受容体などのタンパク質に結合する化合物を選び出すことを「バーチャル・スクリーニング」と言います。
当研究室では、新しい薬を創り出すことを目指して、このバーチャル・スクリーニングと呼ばれる手法を用いた研究を行っています。選び出された化合物は、生物学的に活性があり、新しい薬になる可能性があります。
この手法を用いることにより、創薬にかかる費用や実験で犠牲にする動物数の減少または増加の抑制、および薬品開発速度の向上などの効果が期待できます。
その他の卒業研究テーマ
- 免疫や血圧調節に重要なタンパク質分解酵素の機能解析
- 分泌小胞エキソソームの機能解析
- 一本鎖抗体の研究
- ミトコンドリア障害に関連した医薬品毒性及び疾患の機序解析
- 新規抗腫瘍薬の細菌デリバリーシステムの改良
- 遺伝子組換え嫌気性菌を用いた抗腫瘍薬の開発
- ナノマテリアルの安全性研究