お知らせ
鈴木達彦講師が日本医史学会にて富士川游学術奨励賞を受賞しました。
平成26年6月27日
第115回日本医史学会総会・学術大会(2014年5月31日~6月1日、於九州国立博物館)にて、鈴木達彦講師らによる論文「華岡青洲の春林軒膏薬と李靖十二辰陣」が2013年度に日本医史学雑誌に掲載された論文の中から優秀なものとして選出され、第20回富士川游学術奨励賞を受賞いたしました。
華岡青洲は世界で初めて全身麻酔下での乳がん手術を行った医師として著名ですが、抗生物質はもちろん、消毒薬も十全ではないなか青洲が自ら考案した外用薬は術後の処置において重要なものでした。本論文は青洲が外用薬を創方するに際し参考とした文献を見い出し、漢方とヨーロッパ伝統医学の双方からの影響を確認しています。また、外用薬の名称を採用した中国の軍師、李靖の兵法書を特定し、外用薬の運用方法と李靖の兵法との関係について明らかにしています。さらに、青洲が考案した紫雲膏は、漢方の外用薬としては現在唯一医療用として認められています。
本論文の成果により、伝統医学における外用薬の再評価がもたらされると期待され、ヨーロッパ医学の導入による病理観や治療方法の変化について理解をうながすと考えられます。
授賞式の様子