お知らせ
鈴木 達彦 准教授が日本東洋医学会奨励賞を受賞しました。
2020年10月08日
薬学部 鈴木 達彦 准教授が、著書『腹診のエビデンス-保険収載漢方処方-〔江戸版〕』における学術的価値が評価され、2019年度の日本東洋医学会奨励賞を受賞しました。
日本において伝統的に行われていた漢方治療では、治療薬を選ぶ際に腹部を触診したり按圧したりすることで、腹部の状態を観察していました。このような腹診は、江戸時代中頃から現代に至るまで、多くの漢方医がエビデンスを残してきました。
しかしながら、江戸時代の腹診所見を体系的に整理したものは今までになく、かつての優れた臨床上の経験は現代に正確に伝わっていませんでした。本書は、今日用いられている全ての保険収載漢方処方の腹診所見を、江戸時代の文献から網羅的に抽出し、今日の腹診所見と比較をしています。
本書の成果により、今まで生かされていなかった貴重な所見を容易に参照することが可能になり、漢方処方の運用に大いに寄与すると考えられます。