ユニット紹介
社会薬学教育研究センター
医薬統計学ユニット
ユニットの目標
医学薬学分野において、データに裏打ちされた知見を導き、これを公衆衛生学的観点から社会に還元することで、貢献することを目的としております。専門である「統計」をベースに、(1)明日の日本につながる「社会統計の整備に関する統計学的研究」、前職から継続で行っている(2)「福島事故に関わる疫学・統計・数理研究」に加えて、(3)「福祉分野の統計学的活性化に関わる研究」を行っております。また統計家として、(4)研究のデザイン、解析に関するサポートを通して、多くの研究を下支えしております。本大学に赴任し、「薬学分野」においても貢献できることを楽しみにしております。
研究テーマ
社会向上への統計科学の活用推進に関する研究
1)社会統計の整備に関する統計学的研究
- [厚労科研(分担)] 歯科口腔保健の新たな評価に関する指標の開発に関する研究
- [厚労科研(分担)] ICFに基づく利用者のwell-being測定による福祉施設アウトカム評価の研究
- [厚労科研(分担)] ICD-11 V章を活かした生活機能・介護の統計分類の検討
- [厚労科研(門田班: 社会医学)] 新型コロナウィルス感染症に対応した新しい⽣活様式による⽣活習慣の変化およびその健康影響の解明に向けた研究―⽣活習慣病の発症および重症化予防の観点から― 人口動態統計班 等
2)福島事故・放射線災害に関わる疫学・統計・数理研究
- [福島医大県民健康調査] 福島甲状腺疫学研究
- [厚労科研] 「第一種健康診断特例区域等の検証」に関する健康調査研究
3)福祉分野の統計学的活性化に関わる研究
- [AMED(代表)] 機械学習を用いた要介護認定審査におけるプロセス等をサポートするシステム開発に係る研究
- [厚労科研(分担)] 40・50代介護者の介護・育児・仕事における幸福感アップ総合支援プログラムの開発
4)疫学・統計学的サポートを通した研究推進
- [厚労科研(分担)] 職域での健診機会を利用した検査機会拡大のための新たなHIV検査体制の構築に向けた研究
- [厚労科研(分担)] 小児期遺伝性不整脈疾患の睡眠中突然死予防に関する研究
- [厚労科研(分担)] 小児期心筋症の心電図学的抽出基準, 心臓超音波的診断基準の作成と遺伝学的検査を反映した診療ガイドライン作成に関する研究
- [厚労科研(分担)] 加熱式たばこなど新たなたばこ製品の成分分析と受動喫煙による健康影響の評価手法の開発 等
5)薬学分野における研究
- [卒業研究] 食品添加物の使用制限に関する研究 -日本, 米国, 欧州との比較- 等
例えば(3)の[AMED(代表)]機械学習を用いた要介護認定審査におけるプロセス等をサポートするシステム開発に係る研究においては、左図のような背景から、右図のような目的で研究を実施しています。
発表論文
- 高橋 秀人:現場行政における既存資料の活用(e-Stat、NDBオープンデータ等); 公衆衛生 87(8), 814-821, 2023
- Tomoko Ito, Mikiya Sato, Hideto Takahashi, Chihiro Omori, Yuta Taniguchi, Xueying Jin, Taeko Watanabe, Haruko Noguchi, Nanako Tamiya. “Mortality differences in disabled older adults by place of care in Japan: nationwide 10-year results” J Public Health Policy 43(4), 542-559, 2022
- 佐藤 幹也, 伊藤 智子, 谷口 雄大, 大森 千尋, 金 雪瑩, 渡邉 多永子, 高橋 秀人, 野口 晴子, 田宮 菜奈子:介護保険受給者台帳の資格喪失記録を死亡代理変数として使用することの妥当性の検討;日本公衆衛生雑誌 69(8), 617-624, 2022
- Takahashi H, Yasumura S, Takahashi K, Ohira T, Ohtsuru A, Midorikawa S, Suzuki S, Shimura H, Ishikawa T, Sakai A, Suzuki S, Yokoya S, Tanigawa K, Ohto H, Kamiya K, “Nested matched case control study for the Japan Fukushima Health Management Survey's first full-scale (second-round) thyroid examination” Medicine (Baltimore), 99(27), e20440, 2020
- 高橋 秀人, 大夛賀 政昭:国際生活機能分類(ICF)の社会統計としての活用に関する考察; 厚生の指標 67(3), 25-34, 2020
著書
- 加納克己・高橋秀人:基礎医学統計学改訂第7版(南江堂)2019年
学会発表
- 高橋 秀人, 小宮山潤, 田宮菜奈子, 磯博康:Covid19感染症流行と超過死亡の程度との関連について;第82回日本公衆衛生学会総会, 2023年11月
- TAKAHASHI HIDETO, OTAGA MASAAKI, SHIGETA FUMIE, YAMAGUCHI KAORI., Scoring of disability-related events using the WHODAS 2.0 12-item version in a population of Japanese individuals or family members with disabilities. 16-20 October 2023 (Bonn, Germany).
- 高橋 秀人, 大夛賀 政昭, 重田 史絵:「障害の有無」および「主観的健康意識の有無」に関するWHODAS2.0による最適閾値の推定 内閣府「令和元年度障害者統計の充実に関わる調査研究事業」データを用いて; 日本社会福祉学会第69回秋季大会, 2023年10月
- 高橋 秀人, 大夛賀 政昭, 山口 佳小里, 重田 史絵:WHODAS2.0に基づく障害, 主観的非健康意識に関する最適閾値の推定;第33回日本疫学会学術総会, 2023年1月
- 高橋秀人:Covid-19感染症早期流行時期と平均余命損失年数のトレンドに関する検討;2022年度 統計関連学会連合大会, 2022年9月
お知らせ
- 2023/04
- 高橋秀人教授が本ユニットに着任しました。