ユニット紹介

薬学臨床教育研究センター
臨床薬物治療学ユニット

ユニットの目標

今後の超高齢化社会に向けて、高齢者の安全かつ適正な薬物治療は極めて重要な社会問題です。特に2025年問題で指摘されているように、在宅医療を中心とした地域包括ケアシステムにおける薬物治療の安全管理などへの薬剤師の関与は重要です。本ユニットの目標としては、高齢者の特色を理解した上で、多剤併用(ポリファーマシー)や薬物間相互作用や副作用の問題などを解決するための方策を検討します。

また、ハイリスク薬を中心とした医療事故に関する原因等の情報を整理し、適正使用に向けた具体的な対策等の検討を行います。

研究テーマ

  • 高齢者の安全な薬物療法の支援策の検討

ポリファーマシー、認知症、せん妄、フレイル、転倒などの高齢者特有の問題がある患者について、実際の在宅診療患者のカルテを用いて調査を行い、安全かつ適正な薬物療法の支援策を検討します。

  • 医療事故の原因と対策の検討

抗血小板薬、抗凝固薬、抗がん剤などのハイリスク薬を中心に、日本医療機能評価機構の統計データを分析し、事故事例をもとに原因や関わった職種や職務経験年数等を詳細に分析し、薬品ごとの適正使用に向けた対策について検討します。

  • 医療従事者における抗がん剤の職業暴露低減を目指した抗がん剤取り扱い手順の開発(大学院生博士課程研究)

抗がん剤調製の手順ごとの飛散状況について、既報告のない定量化での分析を行なって飛散量の少ない抗がん剤調製手順・手技の開発を構築します。

  • 医薬品および錠剤・カプセル剤の形状を有する食品において保存環境および添加物の及ぼす影響に関する研究

医薬品のみならず錠剤・カプセル剤の形状を有する食品における保存環境および添加物の及ぼす影響について研究を行っています。

発表論文

  • 柳澤友希、黒須智博、夏目義明、清野敏一、伊佐間和郎、西村哲治、山下敦志:注射用抗がん剤調製業務に従事する薬剤師の職業性暴露に対する認知と暴露防止対策の実施状況 ; 医療薬学 47, 537-548, 2020
  • Kuribayashi, K., Takabatake, T., Mizuno, K. “Effects of storage conditions on dissolution rates of indomethacin capsules.” Chem. Pharm. Bull. 66, 779-784, 2018

著書

  • 清野敏一(監修分担):「薬がみえるvol.4」(MEDIC MEDIA);「配合変化」「高齢者の薬学的管理」「ポリファーマシー」 p317-343, 2020

講演

  • 清野敏一:医薬品による医療事故の防止―ハイリスク医薬品の安全管理― ; 第7回日本医療安全学会学術総会 2021年5〜6月(総会長講演)
  • 清野敏一:医薬品関連事故発生時に注意すべき点―事故を繰り返さないために― ; 医療安全教育セミナー2021年度(ヒューマンファクターズ編)2021年9月

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