ユニット紹介

医薬品機能教育研究部門
薬物動態学ユニット

ユニットの目標

薬がどのように体内に吸収(Absorption)され、様々な組織に分布(Distribution)し、そして代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)されていくのか(総称してADME)、この過程で一体何が起こっているのかを理解するための学問が薬物動態学です。私たちは、医薬品の安全性向上や新薬開発につながる薬物動態学的研究をwet studyを中心に展開しながら、一方でin silicoにおいて毒性や体内動態を予測・再構築するdry studyについても研究を行っています。さらには、薬物動態、薬物毒性を制御する因子の生理的意義や役割に迫り、独創的なアプローチから難治性疾患の病態解明や毒性の新規な治療法開発を目指しています。

研究テーマ

1)天然物生理活性成分の体内動態の解明

肝代謝、腸管代謝、天然物飲食物成分の腸管吸収など、これまでの研究成果を基に、柑橘類である河内晩柑に含まれる脳神経保護作用などの生理活性を持つヘプタメトキシフラボン(HMF)の体内動態(ADME)の研究を行っています。現在、ADMEの最初の過程であるA(吸収)に関する知見が揃いつつあり、また、これらのwet studyとともに、文献情報などを基にしたdry study (e-ADMET)にも取り組んでいます(研究代表者:水間 俊)。

2)薬物性肝障害の感受性規定因子の解明及び治療法の開発

薬物性肝障害はT細胞応答の制御破綻、すなわち異物に対する過剰な生体応答が顕在化した病態として捉えることができる。本研究では、薬物動態学、分子毒性学、免疫学に基づいてミトコンドリア毒性、酸化ストレス、胆汁酸ホメオスタシス破綻などにより惹起される生体応答を解析し、一部のヒトでのみ発現する稀な肝障害の感受性規定因子を解明するとともに、免疫制御を意図とした治療法の開発を目標としています(研究代表者:濱田和真)。

3)肝細胞内ヘム代謝に着目した難治性疾患の発症因子及び薬物有害事象の発生機序についての研究

ヘムは生体にとって必須の分子であり、体内では主に骨髄と肝臓で作られます。C型肝炎やアルコール性肝炎などのある種の疾患ではヘム生合成経路に変動が起こることが知られています。ヘムの生合成は細胞のエネルギー産生の主たる場であるミトコンドリアで起こり、さらにヘムはエネルギー産生に関わるタンパク質や薬物を代謝するタンパク質が働くための必須因子であることから、ヘムの生合成回転の変化は細胞の機能に大きく影響することが考えられます。そこで私たちは、肝臓の細胞でのヘム代謝に着目し、難治性疾患の発症因子や医薬品の毒性発現との関連について研究を行っています(研究代表者:中埜貴文)。

研究テーマイメージ

発表論文

  • Nakano T, Moriya K, Koike K, Horie T.
    Hepatitis C virus core protein triggers abnormal porphyrin metabolism in human hepatocellular carcinoma cells.
    PLoS One. 13(6):e0198345 (2018)
  • Kakiuchi A, Ito S, Okuyama S, Furukawa Y, Mizuma T.
    Human serum albumin binding of 3, 5, 6, 7, 8, 3’, 4’-heptamethoxyflavone, a citrus flavonoid possessing a neuroprotective effect.
    Chem-Bio Informatics J, 17: 103-109 (2017)
  • Kimura H, Shigematsu M, Tanaka A, Watanabe S, Takatori S, Tanaka M, Mizuma T, Araki H.
    Predictive Performance of Vancomycin Trough Concentrations in Patients With Diabetes With Microalbuminuria.
    Ther Drug Monit. 39: 614-616 (2017)
  • Sekine S, Ito K, Watanabe H, Nakano T, Moriya K, Shintani Y, Fujie H, Tsutsumi T, Miyoshi H, Fujinaga H, Shinzawa S, Koike K, Horie T.
    Mitochondrial iron accumulation exacerbates hepatic toxicity caused by hepatitis C virus core protein,
    Toxicol Appl Pharmacol. 1;282(3):237-43 (2015)
  • Morimoto M, Smizo K, Ohta S, Mizuma T.
    A Toxicity Risk Index, An Index for Warning Idiosyncratic Drug Toxicity
    J. Pharm. Sci, 102: 3447-3450 (2013)
  • Hamada K, Kakigawa N, Sekine S, Shitara Y, Horie T.
    Disruption of ZO-1/claudin-4 interaction in relation to inflammatory responses in methotrexate-induced intestinal mucositis
    Cancer Chemother Pharmacol. 72(4):757-65 (2013)
  • Nakano T, Sekine S, Ito K, Horie T.
    Ezrin regulates the expression of Mrp2/Abcc2 and Mdr1/Abcb1 along the rat small intestinal tract.
    Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 305(11):G807-17 (2013)

お知らせ

2019/06
当ユニットの前教授 堀江 利治先生の後任として、4月に水間教授が着任いたしました。

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