ユニット紹介

創薬基盤教育研究部門
薬品分析学ユニット

ユニットの目標

豊かな社会生活に欠かせない化学物質を安全かつ安心して利用するためには、正確に見積もられた有害性と暴露量のデータを基に科学的手法により健康リスク評価を行い、その結果に基づいて化学物質を適切に管理することが重要です。当ユニットでは、化学物質の有害性評価及び暴露評価に係る調査並びに健康リスク評価の実施を通して、化学物質の安全かつ安心な利用に貢献したいと考えています。

また、“人生100年時代構想”とは健康長寿社会の実現であり、ガンや生活習慣病、感染症などの早期発見はその後のQOLに大きく影響します。早期発見に寄与する簡便迅速な新規検査・診断法の開発を目標に研究を進めています。

研究テーマ

  • 消費者製品含有化学物質の分析調査、暴露評価及び健康リスク評価に関する研究
     日用品や化粧品などの消費者製品に含まれる化学物資の含有量や溶出量を分析調査しています。その結果に基づいて、当該化学物質のヒトへの暴露量を推定し、さらに、その化学物質の有害性を考慮して、当該化学物質を含有する消費者製品の健康リスクを評価します。
  • 化学物質の細胞毒性、感作性等の有害性評価に関する研究
     化学物質を安全に利用するための健康リスク評価に資するため、in vitro細胞毒性試験やin chemico感作性試験などを実施して、消費者製品に含まれる化学物質の有害性を評価しています。
  • ゴマ油成分セサモールを用いた酸化ストレス測定法の開発に関する研究
     ゴマは健康食品として知られており、ゴマ油に含まれるセサモールが活性酸素を吸収して二量体化することを見出しました。そこで二量体化したセサモールを測定することにより、生体内の酸化ストレス状態を評価することを目的としています。
  • 抗原抗体反応を利用した簡易検査法の開発に関する研究
     抗体は複雑なマトリックスから標的成分を捕捉する能力に優れた分子です。イムノアッセイやイムノクロマトグラフィーを利用した健康関連マーカーや疾病関連マーカーの簡易迅速分析法の開発を検討しています。

発表論文

  • Yanagisawa, Y., Isama, K., Kurosu, T., Natsume, Y., Seino, T., Nishimura, T., Yamashita, A. “Quantitative comparison of anticancer drug dispersal before and after introducing appropriate preparation procedures during anticancer drug preparation” Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences, 8, 19, 2022
  • Yanagisawa, Y., Isama, K., Kurosu, T., Natsume, Y., Seino, T., Nishimura, T., Yamashita, A. “Investigation and improvement of techniques that affect the amount of dispersal during preparation of anticancer drugs” YAKUGAKU ZASSHI, 142(6), 651-659, 2022
  • Kawakami, T., Miyajima, A., Komoriya, K., Kato, R., Isama, K. “Effect of secondary particle size of nickel oxide nanoparticles on cytotoxicity in A549 cells” The Journal of Toxicological Sciences, 47(4), 151-157, 2022
  • 柳澤友希、黒須智博、夏目義明、清野敏一、伊佐間和郎、西村哲治、山下敦志:注射用抗がん剤調製業務に従事する薬剤師の職業性曝露に対する認知と曝露防止対策の実施状況;医療薬学 47(10), 537-548, 2021
  • Miyajima, A., Kawakami, T., Komoriya, K., Kato, R., Usami, M., Isama, K. “Potency shift in immunomodulatory activities of zinc oxide (ZnO) nanoparticles in THP-1 cells is associated with cytotoxicity” Fundamental Toxicological Sciences, 8(7), 205-213, 2021
  • Ohno, K., Sato, K., Kumano, M., Watanabe, K., Fujimura, T., “Electrochemical detection of sesamol dimer and its application to measurement of radicals” Anal. Sci. 37, 633-35, 2021

学会発表

  • 柳澤友希、伊佐間和郎、西村哲治:抗悪性腫瘍薬の毒性データを用いた人への健康影響に関する有害性評価;日本薬学会第143年会、札幌、2023年3月
  • 大野賢一、中村桜子、渡辺大貴、小境里奈、山元健太、高松智、濃沼政美:全身作用型GHK-Cu製剤開発に向けたパイロットスタディー(2)生体試料分析;日本薬学会第143年会、札幌、2023年3月
  • 高松智、牛込陽菜、竹田将太郎、佐藤美紗、野坂倫代、大野賢一、山元健太、濃沼政美:抗老化を目指したGHK-Cuの評価;日本薬学会第143年会、札幌、2023年3月
  • 宮島敦子、河上強志、小森谷薫、加藤玲子、伊佐間和郎:THP-1細胞における酸化亜鉛ナノ粒子の細胞毒性と免疫応答;第59回全国衛生化学技術協議会年会、川崎、2022年10月
  • 伊佐間和郎、稲場優希:ジェルネイル中の残留モノマーの分析並びにそれらの細胞毒性及び皮膚感作性の評価;フォーラム2022:衛生薬学・環境トキシコロジー、熊本、2022年8月
  • 柳澤友希、伊佐間和郎:注射用抗がん剤及び医療用手袋の素材によるふき取り法の回収率の違い;フォーラム2022:衛生薬学・環境トキシコロジー、熊本、2022年8月
  • 柳澤友希、黒須智博、清野敏一、伊佐間和郎、山下敦志:注射用抗がん剤調製手順のピットホールとその対応策;日本病院薬剤師会関東ブロック第52回学術大会、横浜、2022年8月

著書

    • 植松美幸、宮島敦子、野村祐介、蓜島由二、伊佐間和郎、岩崎清隆、梅津光生:血液適合性評価法の開発;医療用バイオマテリアルの研究開発、 シーエムシー出版、2017年
    • 大野賢一:免疫測定法 〜基礎から先端まで〜、講談社、2014年

特許

    • 蓜島由二、福井千恵、河上強志、迫田秀行、野村祐介、伊佐間和郎、新見伸吾、柚場俊康、向井智和、清麻里子:医療用バッグ;中華民国発明第I708807号(2020.11.1)
    • 蓜島由二、福井千恵、河上強志、迫田秀行、野村祐介、伊佐間和郎、新見伸吾、柚場俊康、向井智和、清麻里子:医療用バッグ;特許第6504839号(2019.4.5)
    • 蓜島由二、河上強志、福井千恵、田上昭人、伊佐間和郎、松岡厚子、柚場俊康:溶血抑制剤および血液バッグ;特許第6298597号(2018.3.2)

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