薬学部ホームページを制作するにあたって、薬学に関係する皆さまに向けた連載コラムをお届けすることにいたしました。今後、本学教員が定期的に連載をしてまいります。
2015年3月掲載
自分の将来を考えよう!
薬学教育の6年制への移行や薬事法の改正に伴い薬学は新しい過渡期を迎えています。この過程を経て薬学は細分化されていき、薬剤師の仕事も多様化・分業化していくことでしょう。つまり、これからは専門性の高い(ある分野に卓越した能力をもつ)薬剤師が重宝される時代になってくるでしょうから、薬学部の学生さんやこれから薬科大学を目指す人たちは将来どうなりたいかを具体的に想像し、その目標に向けて着実に前進することが大事になってくると思います。「将来どうなりたい?」と学生さんに聞くと「患者さんの気持ちを理解できる、あるいは、理解しようと努力できる薬剤師になりたい」という言葉がよく返ってきます。この気持ちは最も大事なことであると思いますが、薬剤師として仕事する上で当たり前のことでもあります。学生さん一人一人に考えてもらいたいのはそれを踏まえたうえで「もう少し具体的にどのようになりたいか」ということです。講義や実習、卒業研究の中には自分の将来のためになるものがたくさん転がっていると思いますので、そこから自分に合った将来の種を見つけ、育んでもらいたいと思います。個人的には生命現象に対して興味を持ってくれる学生さんがもっとたくさん増えてくれるとうれしいです。
さて、私が本学に赴任してはや5年が経過しようとしています。この5年間で気づいたことは、学生さん一人一人がいろんな悩みやコンプレックスと闘いながらも、とても個性的で魅力的な資質をもっているということです。若い世代は私たちにはない新しい何かを持っているのかもしれません。だからこそぜひ皆さんには新しいことにチャレンジし、良い意味で世の中を驚かせてほしいと強く願います。最近、学生さんと接するとその初々しさからか、自分が本学に赴任した頃の新鮮な気持ちを思い出します。初講義では生まれたての小鹿のように震えて立つことすらままなりませんでした。この初心にかえる気持ちは、研究や教育に対する原動力となって今の私を支えてくれています。自分も若い世代に負けず、もうひと伸びしたいものです。